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2018/03/05 16:33
ストームランタンの始祖はどこなのか…。
King of ストームランタンと言えばアメリカのDIETZとドイツNier (ニャー)社のFeuerhandランタンです。Feuerhandのランタンは1902年に誕生したといわれています。(2014年秋、Petromax GmbHがFeuerhandの商標を取得し、現在ではNo.276のみを継続しています。)
ストームランタンの始祖はDIETZ社とFeuerhand社どちらか?については、後日機会があれば書きますね。
燃料は灯油もしくはパラフィンオイルを使用してください。ちょっと高価ですが、パラフィンオイルの方が煤や臭いが少なく扱いやすいです。
実はストームランタンには2つの方式があり、それぞれ「ホットブラスト」「コールドブラスト」と呼ばれています。一般的なストームランタンは後者の「コールドブラスト」と呼ばれる方式です。
ホットブラスト方式は、一度燃焼した熱い空気をバーナーに循環させる仕組み。明るさはコールドブラスト方式に劣りますが、精製度の低い粗悪な灯油でも使用でき、また、燃料の消費量も少なくて済み経済的でした。
一方、後から開発されたコールドブラスト方式は、燃焼した熱い空気の一部は上部より放出され、新しい空気はホヤの上部から取り込まれ、アームを通ってバーナーに供給されます。精製度の高い灯油の使用を前提としており、ホットブラスト方式に比べ非常に明るいのが特徴。そのため、現在では殆どがこの方式となっています。
安価で扱いやすく、さほどメンテナンスも必要ない照明器具として、ヨーロッパをはじめ各国で作られていました。また、後に加圧式ランタンを製造していくメーカー(HASAG,DITMARなど)もその前の時代にはストームランタンを製造していました。
ドイツ:Feuerhand, Frowo, Hasag , MEWA, BAT, ASA , Petromax etc…
イギリス:Gremlin, Chalwyn
オーストリア:Ditmar
チェコ:Meva
アメリカ:DIETZ, Embury
日本:別所ランプ(Winged Wheel)
当時の用途はサイズにより様々です。室内や廊下の補助灯、軒先に吊るしたり、懐中電灯のようにつかったり、自転車のライトとしてと、ホントに様々です。
アメリカのDIETZは鉄道向けに販売することで発展していきました。
ガス灯や加圧式ランタンが登場しても、手軽に使用できる灯りとして使われていたようです。日本の別所ランプは当時、外貨獲得のため輸出目的で製造されていました。
また、主要なメーカーは自国の軍隊のために生産していたものも多かったようです。イギリスのChalwynやドイツのFeuerhandは軍用モデルのラインナップがあります。
色々なストームランプを手にしてきた印象としましては、やはりドイツメーカー(FeuerhandとFrowo)のものは金属の厚さや強度、各パーツの取り付けがしっかりしており、クォリティが高い印象です。火屋ガラスの質もFeuerhandが採用していたドイツJenaerGlass社のものは良くできています。因みにコールドブラストの特許をドイツのNier社(Feuerhand)が持っていました(戦後、特許は放棄させられました)。
後に、欧米で電灯が普及し、また、第二次世界大戦終了後、軍での需要が減少すると、電気の普及していないアフリカ、インド、南米、アジアなどの後進国向けに輸出するために生産されました。この辺は加圧式ランタンも同じでした。
小ぶりでちょっと変わったストームランタンを是非キャンプのお伴に加えてみてはいかがでしょうか。
テーブルランプとして、またはロッジテントの軒先につるしたり、トイレに行く時の懐中電灯代わりにしたり、コットンテントならテント内の灯りにしたり。メインのランタンを消した後、ストームランタンの明かりだけで過ごすのも良い雰囲気ですよ!